<Header>
<Author: 岑參>
<Title: 走馬川行奉送出師西征>
<Format: 格式不明>
<Year: 1988>
<BookName: 唐詩三百首詳解  上卷>
<Translator: 田部井文雄>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 走馬川行　出師の西征を送り奉る>
<BookPage: 406>
<UsedPage: 1>
<Feature: 0>
<End Header>
<Poem>
君不見走馬川行雪海邊，
平沙莽莽黃入天。
輪臺九月風夜吼，
一川碎石大如斗，
隨風滿地石亂走。
匈奴草黃馬正肥，
金山西見煙塵飛。
漢家大將西出師，
將軍金甲夜不脫。
半夜軍行戈相撥，
風頭如刀面如割。
馬毛帶雪汗氣蒸，
五花連錢旋作冰。
幕中草檄硯水凝，
虜騎聞之應膽懾。
料知短兵不敢接，
車師西門佇獻捷。
<End Poem>
<Translation>
ごらんなさい。走馬川が雪海のあたりを流れて行くのを。平らな砂護は果てしなく広がって、その砂の黄色は天にまで連なっている。

輪台の地の陰暦九月、風は夜に獣のほえるような音を立てて吹き荒れ、川原一面に砕けた石が、その大きさは一斗のますのようで、風に吹き飛ばされ地面いっぱいに広がって、その石は四方八方に散らばりころげる。

北辺の外敵匈奴の地の草が黄色く枯れる秋は、馬がちょうど肥えふとって侵攻して来る時で、アルタイ山脈のある西方には、兵馬のちりや煙が飛び舞うのが見える。この時にあたって、わが漢の大将軍実は唐の大将軍、封大夫はその西方への軍を繰り出すのである。

将軍は、黄金造りのよろいを夜にもぬぐことなく、よなかに軍を進めて、ほこが触れあって音を発し、その時風は刀のように厳しく、顔面は裂かれるようである。

馬の毛は雪を含んで、その汗によって湯気となり、五花と連銭との模様の名馬の毛並もたちまちに凍ってしまい、陣中で檄文を起草すると、すずりの水も凍りつく。

敵の騎兵も、将軍の軍のこの厳しきにめげぬ志気の高い状況を聞いたならば、きっとその胆をふるえあがらせるであろうし、短い刀剣を持って、決して接近することはあるまじく、わが封将軍が、都の西の門に戦勝を天子に報ずるのを待つことができると、しはかられるのである。
<End Translation>